パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230909

両親と食事した日。本当は母と二人の予定が、父も来たいというのでいつものファミレスではなく、ハンバーグ屋さんへ行った。両親は、相変わらずどこを切り取っても正真正銘わたしの両親であるほかないくらい似てる。一緒に住んでいた頃は、それが当たり前だ…

20230830

人もまばらな水曜21:44、情けなくヘシ折れた人差し指の爪を直してもらうために金山へきてさぬき安べえで遅めの夜ご飯をいただいている。何回行ってもネイリストとの適切な会話に困る。店内BGMで中島みゆきの「時代」が流れてる。今日別れた恋人たちも、生ま…

20230823

ジメジメと自分の人生に思い悩んでいる間にも、えいや、と思い切って足を踏み出した人間が新しい世界へと旅立っていく、旅立ってしまう。腕を掴んでも、足を掴んでも他人の人生は待ってくれないことくらい分かっていた。私の生きづらさの根源には、間違いな…

20230804

夏が好きだ。目に映る景色の彩度がグンと上がって全てが色濃くみえるところが、運転中に空の彼方にそびえる壮大な入道雲が、キンキンに冷えた飲み物を一気に飲み干す瞬間が、灼熱の昼間に立ち寄るコンビニの涼しさが、お風呂上がりに当たるクーラーの心地よ…

欲しがり星の巡るところ

頭の上から足の先まで、愛情に満ち足りた人間は余剰分を他人に分け与えるに容易いんだろうと思う。その一方で、愛情に枯渇している人間は分け与えるどころか、他人のものまで欲しがることになるのだろうし、自分に向けられたものは味がしなくなるまで吸い尽…

20230723

日々楽しく、充実した毎日を送っているはずなのに悩みが尽きないのはなぜだろう。答えの出ない問いに頭を抱えている。一歩踏み出せば、また違った景色が見られるはずなのに、その一歩が怖くてたまらない。おんなじ悩みに飽きてきて、重たい蓋を閉めて、目を…

20230721

動物と人間の違い。体毛がやけに少ない。人によっては、完全に減らそうとする取り組みだって見られる。脱毛という。私もやってる。理性や秩序を重んじ、社会性を失わないための言動に留意する賢さを持っている。声帯があり、他の人間と会話することができる…

20230715

「良い女の定義とは、強かな生き様にある。」 見た目の瑞々しさ、美しさというような、いずれ経年劣化していくなんの保証もないものに振り回されることにはうんざりだ。そんなことを思っていた矢先、中学の同級生と久しぶりに食事に行くことになって、彼女た…

20230711

流石にくらうよね、これはきっと今みんな同じ気持ちなはず。少しの間、SNSや情報とは距離を置こうと思う。自分の心は、自分で守ってあげるんだ。わたしは運のいいことにSNSに救われた経験が多くある。誰にも言えない心の澱みを流したら掬い上げて、やさしい…

20230710

少し前までの私は、服なんて煩わしくて仕方がないもので叶うなら真っ黒のワンピースを7着買って着回わしたいって思ってた。そんな馬鹿げたことはもちろんできるはずなくて、それなりの服をそれなりに買っていた。何の思い入れもないばかりに、シーズンが終わ…

20230708

誕生日前後はとても幸せなきもちだったのに週の初めに既存顧客から厳しい言葉を向けられて、信じられないくらい傷ついた。かと思えば週の終わりに別の顧客から個人的な食事に誘われて救われた、感情の起伏が激しく忙しない1週間だった。好かれていると思って…

(仮)大人

2022年の日記を記していないことが大変悔やまれる。1年前にわたしはどんな景色を見ていたのか、全然思い出すことができない。今年は書くぞ。今の私をちゃんと残すぞ。28歳なんて迎えてみればただの日常の延長に過ぎなくて、劇的に世界が変わってしまうことも…

1年のうち僅か10日間だけ訪れる特別な季節の夜の風

同期と決起会をした帰り、タクシーの窓が全開で2023年5月19日の夜風を浴びていた。昼間は32度を記録したそうで、早くも猛暑日が到来のヨ・カ・ン。クソがよ、おもしろ外気温。今日は一日在宅だったので、わたしには関係なかったけど。ところで夜風が気持ちい…

傷跡

十字架を背負っているひと特有の色っぽさがある。それは、美しい花が隠し持つ鋭い棘みたいな、綺麗な魚に滲む毒みたいな、決して立ち入ってはいけない澄んだ湖みたいなもの。私、そんなことも知らないでその魅力に軽々しく触れようとしてしまった。私の器量…

椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常

2023年4月14日 先行も一般抽選も破れ、最後の砦となるチケットトレードの申し込みが始まったのは公演のおよそ2週間ほど前のこと。公演までのあいだ毎日昼の12時に行われる抽選に血眼で応募して、落ちて、応募して、落ちて。日々増える取引完了数に肩を落とし…

20230330

午後23時、今日は快晴、夜はまだ少し冷えるね。南の空にちょうど半分の月がきれいに見える。明日で上半期が終わるとのことで、えらい人と1年間の振り返りのための面談をした。一年前、異動してからそれはそれはがむしゃらに、落ち着くまもなく、たくさん働い…

20230327

誰に伝えても、どこに書き認めても足りないくらい大好きでしょうがないものがあるってきっとめちゃくちゃ幸せなことだと思う。いい歳こいてバンドの追っかけしてる女なんてどうよ、周りを見渡せば収まるところに収まって、日本国の未来のために女性としての…

岡本太郎展

に行った。幼い頃、実家の近くの公共施設に岡本太郎の作品があった。悪さをすると、鬼やお化けではなくその像が家まで来るぞ、と親に脅される役割のそれとして、わたしは恐れていた。今でも少し怖いすらある。数年前に旅行で訪れた長野県にある「万治の石仏…

20230301

今日は一年のうちで最も緊張感のある日。全方位、無事に進み、目立ったトラブルもなく、平穏無事に過ごせたのでなにより。1年前は大規模なトラブルが生じて、1日でする謝罪の上限を突破した。そんな日。その頃と比べると、あまり感情の起伏が大きくなくなっ…

20230221

30歳のOLがPodcastで繰り広げる雑談劇「ゆとりっこの戯言」帰宅後に明日のお弁当のおかずをこしらえる傍ら、30分の回を2回聴くのが丁度良い。今回は、視聴者からのお便りでハッとするエピソードがあった。「運命の人は20人いる」わたしは、ぐうの音も出ない…

「そばかす」

インターネットで予告を見てからずっと楽しみにしていた映画を観てきた。上映館が限られていて、東海地区では唯一の「刈谷日劇」まで。 わたしはミニシアターが好き。ミニシアターの定義は、座席数が300以下の小さな映画館。大手のシネコンでは上映されない…

20230208

クリープハイプのライブへ行った。今日は大事な締め切りがいくつもある日だったので、無事に仕事が終われるか分からなかったけど、まあなんとかなった(した)。趣味や好きなものが多すぎて、仕事してる場合じゃないんですよマジで。でも趣味や好きなもの、…

20230207

二日間に及ぶ社内での研修が終わって、なんだか少し仕事のできる女の顔のまま帰路についている。いかんいかん、こう言うのがこの世にあふれる意識高い系の人間を生み出すんや。でもそれくらい、今までの自分とは少し違った考え方を知り得たような気がする。…

おじさんが良性と悪性に二分されるワケ

これは厳密に言うと別におじさんに限った話ではない。経験則上おじさんに見られる傾向が強いと思うのであえておじさんとして分かりやすく書いています。おじさんという存在は、俳優やモデルなどを除き、大多数がハゲかデブか、ハゲながらにしてデブかのどち…

20230203

精神状態は、部屋の乱れ方でわかる。疲れているときまって部屋が乱れてくる。普段はクローゼットにしまう服を床に置いたまま朝を迎えてしまう。帰ったあと、床に落ちてる服を横目にしながらそのまま眠る平日を繰り返して、重い腰を上げて土曜日にきれいにす…

マイベストタイムミュージック

私には特技がある。昔から音楽が好きで、暇さえあれば音楽を聴いていて、人より孤独(さみしいという意味のそれではなくただ純粋な一人であるということ)でいる時間が少しだけ長いので、音楽を聴く時間が自然とたくさん訪れるといったような暮らしだ。そん…

20230114

取引先から招待を受け、母とクラッシックコンサートへ行ってきた。5年前、仲良しだった大学の先生に誘ってもらった以来である。当時、なんの興味もなく好奇心だけで付いていったけれど、今回も相変わらず特に興味はなく、新鮮な好奇心を再び抱いて会場へ向か…

20230105

仕方なく続けてきた人と、どうしようもなく辞められなかった人の違いなんて側から見たらすぐわかる。ああこの人は、どうしようもなく、何ものにも代え難く、辞められなかった。やめたくなかった人なんだって、すぐ分かる。音楽をはじめとする芸能を生業とし…

20221228

会話のキャッチボールができない人、(異性のそれではなく人間から)モテない人、信頼関係を築けない人、何故か人見知りを周囲に公言することでコミュニケーションを放棄している人、共通する人全員自分の話しかしない。相手の話には全く持って興味がない。興…

20221227

普通とか常識という言葉が何よりもきらい。これまで住んできた環境も、周りにいた人々も、見てきたものも何もかも違う人間の普通や常識が一致するわけがない。価値観なんてもの、人の数ほどあって然るべきだと思っている。それを理解していない人間があまり…