パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230708

誕生日前後はとても幸せなきもちだったのに週の初めに既存顧客から厳しい言葉を向けられて、信じられないくらい傷ついた。かと思えば週の終わりに別の顧客から個人的な食事に誘われて救われた、感情の起伏が激しく忙しない1週間だった。好かれていると思ってた人間に徐々に嫌われはじめることよりも、嫌われていると思ってた人間から徐々に好かれることの方がこんなにも嬉しい。はなから私に期待してくる人間は、自分の中にある私の虚像を信じているので、ほんのささいな乖離が見られれば直ぐに見放してくる。勝手にしてくれよ、と思うけど利害関係があるとそう簡単に離れることはできないため、こちらは下手に出て脆くなった関係に縋り付くしかないのだ。だから私には初めから何の期待もしてこない人間のほうが気楽でいられて好きなんだ。思えば最初から嫌われている人間とのほうが、これまでも仲良くなりやすかった。マイナスからのスタートはあとは上がるしかないのだし。人から嫌われるのが怖いとコミュニケーションに臆病になっている人間は、そもそも人に好かれている前提で生きていて幸せそう。私もそうなりたかったけど、この歳までこう生きてきたからきっとこの先も人間の心を訝しがる性根は直ることはないんでしょう。もう好かれるとか嫌われるとかの物差しで推し量るよりも、自分が人間と対峙した時に誠心誠意どんな振る舞いで接しられるかの方がずっと大切で、もはやゲストでいながら愛を享受する側ではなく、見返りを求めずに愛を注ぎ続けられるホスト側にならなければいけない。座右の銘に「愛されるより愛しましょう」を唱えてきたけれど、今の方がずっとその言葉に真実味がある。これからもそれだけは揺らがずに持ってたいと思う。