パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230710

少し前までの私は、服なんて煩わしくて仕方がないもので叶うなら真っ黒のワンピースを7着買って着回わしたいって思ってた。そんな馬鹿げたことはもちろんできるはずなくて、それなりの服をそれなりに買っていた。何の思い入れもないばかりに、シーズンが終わるたび躊躇いもなく捨てるアンチSDGs。私が繊維の循環を滞らせています。しかし迫り来る夏を前に、心境の変化があったのでお知らせいたします。今年はたくさん服を買いたい。それも自分の気に入ったものばかりを身につけていたい。もう年齢とかそういうの関係なくて、服に合う靴も、鞄も、ジュエリーも選びたい、お気に入りを身につけたくてたまらない。華やかに着飾って、日々をご機嫌に過ごしたい。もしかしたら、それはとても身近な自分の愛し方なのではないだろうか。自分を愛せていなければ、手をかけることも、着飾ることもできるはずなくて、28歳にして、やっとわたしは自分の愛し方を知ることができたのではないか、そんなことを思う。こんなに嬉しいことはない。SNSをのぞけば、ファッションには人それぞれに異なる個性があり、彼彼女らの内なる信念のようなものが垣間見える気がする。外見至上主義の世の中はまっぴらごめんだけど、人の内側にある思いは、自分が思っている以上に外側の印象に影響を及ぼしている。そしてきっとそれらを褒められることは、自分をまるごと褒められることと同等の喜びがある。それはわたしが今まで一番蔑ろにしてきた感情だった。興味を持てば一心にそれらを愛せることがとっておきの長所である私は、これから着飾るために必要なものにお金をかけるようになるのだろうし、1着の服を長い間大切に大切にしていきたい。もう粗雑に扱ったり手入れを怠ることのないように自身のワードローブを見直す必要だってある。そういえば大学生の頃、フランス人は10着しか服を持たないという書籍を買ったことがあるんだけど、とてもじゃないが10着では足りない。こうなったらいろんな形のいろんな色の服が欲しくてたまらなくなってきた。体がいくつあっても足りないな。このように自分を愛するための方法は、意外と近くにあるのかも。