パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

憂い逃走中

50年も自分の身分を偽って生きていくというのは、いったいどんな気持ちだったんだろう。自分に対してどれだけ心を開いて接してくれる人間に対しても、信頼を寄せてくれる人間に対しても、自分が何者であるのかを遂には知らせることができないまま付き合って…

感情の伝播

親指が腫れていて、痛いなあと思って調べたらドケルバン病という腱鞘炎らしかった。まあ、かっこいいお名前だこと。自称、なので分かんないけど、症状的にたぶんそう。 今月はたくさんたくさん仕事した。誰になんと言われそうと頑張った。少なくとも、昨年の…

積雪とゆめぴりか

今年一番の寒波が襲来した夜、私の住む街は一晩にして雪に覆われた。本当は大寝坊したくせに、大雪による遅延というていで事なきを得る。悠然たる面持ちで遅刻した。生まれてから今日までずっと運がいい。ほんの昨日までが秋で、今日からが冬だった。今日も…

少年勇者アトレーユ

真冬の深夜22時半過ぎなのにわたしの頬はほんのりと紅潮し、吐息はピンク色をしている。何を言うてんねん。今日のかえりみちは、なんだかあんまり寒くない。朝から遅延電車に巻き込まれて大遅刻したり、偉い人に高い焼肉ランチとタバコ2箱も買ってもらえたり…

ギャル

20231206 職場のギャルと、退勤が重なってバイブスが上がったのでノリでご飯食べに行った。数ヶ月前に隣の席になったギャル。ギャルは、何も金髪だからとか素行が悪いとかそういうんじゃなくて、なんか底抜けに明るくて一生懸命に生きている人間を定義してい…

入浴、それすなわち

寒さと疲れによって固く強張った身体をあたためるために湯を張った。 水道代節約とは名ばかり、ただひたすら面倒で平日に湯を張るのは私の生活において大変めずらしいこと。帰宅即、ソファに横になるともうなんもしとうない状態になってしまう。そんな弱い自…

シュークリームの約束

年始明けの仕事は怒涛の日々だった。 目が回るくらい忙しくて、何が何だかわからないまま毎日とにかく必死で、もう自分が自分じゃないみたいだった。暇すぎる年末年始休暇との落差に心身ともに疲弊して、毎日気を失うように眠った。朝が来ても完全に疲れが取…

犬はイルカの祖先らしい

年始に食事をした人は、わたしにこう語りかけてきた。正確にはメソニクスという犬のような四足歩行の動物が、イルカの祖先なんだって。ふーん、変なの。 その人の話はいつもほんの少しだけ、変わっている。身近にこんなことを教えてくれる大人はいなくて、そ…

20240101

2024年1月1日、明けましておめでとうございます。 2023年12月31日から扁桃炎を患って、39度の高熱にうなされていたらいつの間にか年が開けていた。2023年のうちに4回も扁桃炎になった。昔から健康優良児で滅多に風邪を引かない子供だった(らしい:母談)の…