パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

猪突猛進クリスマス

今日のためにあらかじめ用意されていたような失恋ソングを延々と聴きながら 冬の星空を眺め歩いてるわたしはまるで よくあるバンドのMVに出てくる女の子みたいだし、だれか曲にしたほうがいいんじゃない?メリーメリークリスマス、みんなはどんな夜を過ごし…

アルティメットバカの定理

人様にご迷惑をおかけしない そう決意した2日後に先輩の車の中に定期をわすれて わざわざ届けに御足労をかけさせる。時同じくしてその日11万円もする身につけているものの中で最も高価な財布を道に落とすが 親切なおじいさんが家まで届けてくださる(三ヶ…

31025日

今朝はやく おじいちゃんが亡くなった。 思い出話をきいてほしい。 おじいちゃんはわたしが物心ついたときからずっと耳が遠かった。それはもう手の施しようがないくらいに、補聴器などなんの意味も成さないほどに。用事でおじいちゃんのもとへ電話をかけたと…

ある夏の歴史的瞬間

そうそうこれだ この暑さ これが夏だった わすれかけていた去年の夏がよみがえるような暑さがやってきた 気づけばセミはせわしなく鳴いているし 朝起きたら汗だくだし これでもかというくらい冷えた麦茶がおいしい 街へ出れば容赦なく降り注ぐ 焼け付くよう…

自慢の芝生の作り方

隣の芝生が青すぎてまぶしい— カワ (@rccpz) 2016年7月6日カワ on Twitter: "隣の芝生が青すぎてまぶしい" 隣の芝生は青いという他人のものはなんでもよく見えてしまう様子を表すことわざがある。ツイートは少しわたしなりの解釈で意味を誇張しています。 わ…

バースデーガールの憂い

「ハタチを過ぎたら誕生日がたのしみではなくなってしまう」 散々人生の先輩たちから、そうおびやかされてきた。 20歳と書いてハタチと読むの "本気と書いてマジ" みたいで好きだった。もう一生、名乗ることはできない。日本のエライ人たちへ告ぐ、各年齢の…

1ドルの夜景とプラネタリウム

あれからもう3年も経つんだ。付き合っていたら3年か。3年という月日がどのくらいの長さかといえば、中学、高校生だったらとっくにもう、卒業の時期ですね。 元気にしていますか?ちゃんとご飯を食べていますか?毎日健やかに生きていますか。ただでさえ細…

オムライスの妙味

先日 5年ぶりくらいに叔母さんに会った わざわざ関東から足を運んできてくれた 久しぶりの叔母さんは目尻にシワがふえた程度で あとは何も変わっていなかった すこしばかり緊張したけれど 天真爛漫なそのひとは5年前と同じ明るい笑顔で迎えてくれた お母さ…

時間薬(じかんぐすり)

時間すごい こころの傷に効くなによりの薬とよく言うけれどまったくもってそのとおりであった 時間のおかげで みるみるうちにあのときあいた大きな穴は塞がり 日常を取り戻し 活力まで湧いてきた。そう 時間は特攻薬である。 なにより時間が経つごとにそのこ…

ハイライトのメンソール

最近 人生史上最低のつまらない男の人に裏切られたから振ったんです その男はよく電話越しにハイライトのメンソールひとつ ってコンビニで言ってた 番号で言えクソが だけどもっとつまらないのは自分だったなって気づいてしまって 毎日毎日退屈でしかたなく…