パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

reunion

なんか今、帰りの電車で、おセンチ。12月25日23:43。泣きたくなっちゃって、でもあんまりうまく涙は出そうになくて、なので書きます。なんだろう、寂しいような嬉しいような壮大な感傷の只中にいる。ここまで心が揺れ動く瞬間は多くはないため、残しておかな…

冥土はどうやら愉快らしい

週末にみた良い映画の余韻を引きずっていたら、迎えた月曜日のあまりに退屈な日常との落差にやられてしまった。時刻は21:15、明日は冬のボーナス支給日。色気のある出費の予定はまだないのだった。 今週末に観た物語のふたつと、今日お話ししたお客様との会…

追憶温泉郷

わたしはさぁ、多分だけどさぁ、ありとあらゆる思い出に未練があるらしい。わたしはこうして自分の感じたことを丁寧に書き起こして残したいと強く思う性分で、たいした記憶力が無い代わりに、誰も覚えていない些細な日常の一コマを大切に大切にしすぎてしま…

Life Is Party,Life Is Show Time

先週までのどんよりとした陰鬱さは、またも音楽の力で晴れて渡り、心健やかなる状態。11月12日、小山田壮平を生で見た。andymoriの曲は、わたしに清濁併せ持つことを教えてくれた。「綺麗な顔のままで死ねるなんて思いますか」その問いに、いたく衝撃を受け…

「灯台守の話」

どことなく日々がささむけていたため、休日は好きなことに思う存分、時間を費やしてみることにした。現実世界からの一時的な待避として、読書を選ぶ。 ジャネット・ウィンターソン/翻訳:岸本佐知子の「灯台守の話」を読んだ。金曜深夜から、土曜は午後に起…

吹き曝されて何になる

もうなんもしとうない状態。常々人は1人で生きていけないという標語をいたるところで散見されるけれど、誠にその通りである。疲労感に支配されて真っ直ぐ立つこともままならない金曜日22:58。今から家で待っているのはあたたかい食事や、やさしい家族などで…

あの頃のヒロイン席

わざわざ人に話すようなことでもないんだけど、わざわざ人に話すようなことでもないからここに書くんだけど、どうしても言いたいことがあって、高校三年生のときわたしは主人公の席にいた。 主人公の席とはつまり、教室の窓際の一番後ろの席のこと。普通なら…

出涸らし木枯らし

一番楽しみにしていた出来事が、あっという間に終わってしまって、だれがどう見ても腑抜けている。燃えカスである。と漏らしたら同じ境遇の子らも同様で、私だけではないらしかった。仕事にモチベーションを持ち込まないことは大切であると心得ているし、こ…

20231007

なんかあの日からずっと嬉しいきもちが続いていて、こんなの人生においてあまり経験がないので、ソワソワする。念のため、記録しておく。平たく言うとかなり浮ついていて、周囲に悟られまいと必死である。誰と接していても頭の中では常に考えていて、この2…

今日くらいは

帰り道に、自分でも分かるくらい地に足ついていない感覚が確かにあり、いつもは立ち寄らない成城石井でリッチなかぼちゃプリンを買った。 取り急ぎ、ささやかなご褒美である。 各所から送られてくるお祝いの言葉を何度も何度も読み返して、悦に浸りながら秋…

秋の大荷物

ふと気づけば、エアコンをつけなくなっていた。 夜風がきもちよく、煩わしかった湿度を感じさせないカラリと晴れ渡った天気が続いている。例年より少し遅ればせながら、ようやっと秋が来たようだ。 昨日彼氏と夜ご飯に秋鮭のホイル焼きを作って食べたんだけ…

おともだちシップ

男女の友情は成立するか否か? こんな話題はもう擦り切れるほど男女間で交わされてきたのでしょう。男女の友情は成立する。なぜならわたしたちがそうだから。 大学を卒業してから、1〜3年に1度くらいのわずかな周期で会う異性の友人がいる。二人は思慮深く真…

20230909

両親と食事した日。本当は母と二人の予定が、父も来たいというのでいつものファミレスではなく、ハンバーグ屋さんへ行った。両親は、相変わらずどこを切り取っても正真正銘わたしの両親であるほかないくらい似てる。一緒に住んでいた頃は、それが当たり前だ…

20230830

人もまばらな水曜21:44、情けなくヘシ折れた人差し指の爪を直してもらうために金山へきてさぬき安べえで遅めの夜ご飯をいただいている。何回行ってもネイリストとの適切な会話に困る。店内BGMで中島みゆきの「時代」が流れてる。今日別れた恋人たちも、生ま…

20230823

ジメジメと自分の人生に思い悩んでいる間にも、えいや、と思い切って足を踏み出した人間が新しい世界へと旅立っていく、旅立ってしまう。腕を掴んでも、足を掴んでも他人の人生は待ってくれないことくらい分かっていた。私の生きづらさの根源には、間違いな…

20230804

夏が好きだ。目に映る景色の彩度がグンと上がって全てが色濃くみえるところが、運転中に空の彼方にそびえる壮大な入道雲が、キンキンに冷えた飲み物を一気に飲み干す瞬間が、灼熱の昼間に立ち寄るコンビニの涼しさが、お風呂上がりに当たるクーラーの心地よ…

欲しがり星の巡るところ

頭の上から足の先まで、愛情に満ち足りた人間は余剰分を他人に分け与えるに容易いんだろうと思う。その一方で、愛情に枯渇している人間は分け与えるどころか、他人のものまで欲しがることになるのだろうし、自分に向けられたものは味がしなくなるまで吸い尽…

20230723

日々楽しく、充実した毎日を送っているはずなのに悩みが尽きないのはなぜだろう。答えの出ない問いに頭を抱えている。一歩踏み出せば、また違った景色が見られるはずなのに、その一歩が怖くてたまらない。おんなじ悩みに飽きてきて、重たい蓋を閉めて、目を…

20230721

動物と人間の違い。体毛がやけに少ない。人によっては、完全に減らそうとする取り組みだって見られる。脱毛という。私もやってる。理性や秩序を重んじ、社会性を失わないための言動に留意する賢さを持っている。声帯があり、他の人間と会話することができる…

20230715

「良い女の定義とは、強かな生き様にある。」 見た目の瑞々しさ、美しさというような、いずれ経年劣化していくなんの保証もないものに振り回されることにはうんざりだ。そんなことを思っていた矢先、中学の同級生と久しぶりに食事に行くことになって、彼女た…

20230711

流石にくらうよね、これはきっと今みんな同じ気持ちなはず。少しの間、SNSや情報とは距離を置こうと思う。自分の心は、自分で守ってあげるんだ。わたしは運のいいことにSNSに救われた経験が多くある。誰にも言えない心の澱みを流したら掬い上げて、やさしい…

20230710

少し前までの私は、服なんて煩わしくて仕方がないもので叶うなら真っ黒のワンピースを7着買って着回わしたいって思ってた。そんな馬鹿げたことはもちろんできるはずなくて、それなりの服をそれなりに買っていた。何の思い入れもないばかりに、シーズンが終わ…

20230708

誕生日前後はとても幸せなきもちだったのに週の初めに既存顧客から厳しい言葉を向けられて、信じられないくらい傷ついた。かと思えば週の終わりに別の顧客から個人的な食事に誘われて救われた、感情の起伏が激しく忙しない1週間だった。好かれていると思って…

(仮)大人

2022年の日記を記していないことが大変悔やまれる。1年前にわたしはどんな景色を見ていたのか、全然思い出すことができない。今年は書くぞ。今の私をちゃんと残すぞ。28歳なんて迎えてみればただの日常の延長に過ぎなくて、劇的に世界が変わってしまうことも…

1年のうち僅か10日間だけ訪れる特別な季節の夜の風

同期と決起会をした帰り、タクシーの窓が全開で2023年5月19日の夜風を浴びていた。昼間は32度を記録したそうで、早くも猛暑日が到来のヨ・カ・ン。クソがよ、おもしろ外気温。今日は一日在宅だったので、わたしには関係なかったけど。ところで夜風が気持ちい…

傷跡

十字架を背負っているひと特有の色っぽさがある。それは、美しい花が隠し持つ鋭い棘みたいな、綺麗な魚に滲む毒みたいな、決して立ち入ってはいけない澄んだ湖みたいなもの。私、そんなことも知らないでその魅力に軽々しく触れようとしてしまった。私の器量…

椎名林檎と彼奴等と知る諸行無常

2023年4月14日 先行も一般抽選も破れ、最後の砦となるチケットトレードの申し込みが始まったのは公演のおよそ2週間ほど前のこと。公演までのあいだ毎日昼の12時に行われる抽選に血眼で応募して、落ちて、応募して、落ちて。日々増える取引完了数に肩を落とし…

20230330

午後23時、今日は快晴、夜はまだ少し冷えるね。南の空にちょうど半分の月がきれいに見える。明日で上半期が終わるとのことで、えらい人と1年間の振り返りのための面談をした。一年前、異動してからそれはそれはがむしゃらに、落ち着くまもなく、たくさん働い…

20230327

誰に伝えても、どこに書き認めても足りないくらい大好きでしょうがないものがあるってきっとめちゃくちゃ幸せなことだと思う。いい歳こいてバンドの追っかけしてる女なんてどうよ、周りを見渡せば収まるところに収まって、日本国の未来のために女性としての…

岡本太郎展

に行った。幼い頃、実家の近くの公共施設に岡本太郎の作品があった。悪さをすると、鬼やお化けではなくその像が家まで来るぞ、と親に脅される役割のそれとして、わたしは恐れていた。今でも少し怖いすらある。数年前に旅行で訪れた長野県にある「万治の石仏…