パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230711

流石にくらうよね、これはきっと今みんな同じ気持ちなはず。少しの間、SNSや情報とは距離を置こうと思う。自分の心は、自分で守ってあげるんだ。わたしは運のいいことにSNSに救われた経験が多くある。誰にも言えない心の澱みを流したら掬い上げて、やさしい言葉をくれた人。大好きなものを追い続けていた先に出会った、同じ温度で好きを語り合える人。理不尽な目にあって、怒りに飲み込まれそうになったとき、心のささくれに気づいて撫でてくれた人。この先何にも残らない時間の浪費だと捉える人もいるけれど、絶対にそんなはずはなくて。家族や恋人や友人にさえひた隠しにしている「ほんとうのきもち」を後腐れなく、垂れ流して、他の人の声に埋もれて見えなくなるこの場所がわたしにとってとても心地が良かった。そんなSNSが大好きだった。のに、最近のそれは見る影をなくしてむき出しの悪意にばっかり曝されるようになってしまった。こんなの誰も望んでいない。悪が火種になることもあれば、時に正義と正義がぶつかりあって火をつけることもある。人それぞれの思いに寛容になれたらもっとずっとやさしいインターネットになるはずなのに。とはいえ、私の中にあった加虐性みたいなものを認めざるを得ないような出来事だったから、尚更くらったし、ものすごく反省した。発言こそしなかっただけ、まだ自分の矜持は守られたのかなとも思う。ただ、一瞬でも、ほんのわずかでもわたしは加害する側のきもちを理解したことがあって、それが一番悔しい。優しくありたいと願いながら、冷ややかな一面があることを思い知らされた。もう他の誰も、同じ苦しみを感じることがないように私だけでも、私一人だけでも心して向き合わないといけない。そう思った。これくらいしかできないし、これも偽善だって思われてしまうのならそれまでだけど、今の素直な気持ち。今よりもっと私たちとSNSの関係性は境を無くしてゆくのだろうし、既になくてはならないものであることは確か。次の世代にどうやって向き合い方を伝えていけるだろう。どうやったら傷つかない距離感で互いを思いやれる方法を伝えていけるだろう。そんなことを思う。