パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230327

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誰に伝えても、どこに書き認めても足りないくらい大好きでしょうがないものがあるってきっとめちゃくちゃ幸せなことだと思う。いい歳こいてバンドの追っかけしてる女なんてどうよ、周りを見渡せば収まるところに収まって、日本国の未来のために女性としての責務を果たしてる女ばかりなのに、どうよ、わたしは。いつまでも青春時代をともに過ごした音楽を追いかけて、飛び回って、新譜にお金注ぎ込んで、あーあ、なんて、なんて幸せなんだろう。もうマジで一緒に追いかけてくれる仲間なんてほとんどいなくなったけど、そうなるのが全然わからなくて、毎日毎日これまでの13年間何千回も聴き続けていて、飽きる、とかなくて。異常なことかもしれないけど、私は幸せなんだからいいじゃん。いいんだよ、いいはずなのに。まるで世界はそれが間違ってるみたいな顔で私を隅に追いやるし。この世の興行収入に影響するものはもっとJ-POPてきなあれなんだそうで。わたしいつまで経ってもそれらの何がいいのかさっぱり分かんなくて、わたしが信じた音楽だけが正解なんだもん。3年前中止を余儀なくされた大阪城ホールでのアリーナツアーが、3年の時を経て、開催された。当時は結成10周年を記念するメモリアルなツアーになるはずだったのに、13年という半端な時にやることになっちゃったけど、3年間で出た新譜はこの3年間がなければ生まれなかったわけで、まあそう考えると取り戻せた気がする、この3年間を。最近は個人の判断でマスクを外してもよくなって、3年前よりもやや老けた自分を見るのが嫌だなぁとか思いながら、やっぱり聴く曲に変わりはないんだよね。中身なんてちっとも変わんないわけ。わたしこのままだと一生聴いている気がするわ。だってライブに行ったらさっき言ってた自分が間違いかもしれないっていう心配なんて、拭い去ってしまうくらいちゃんとかっこいいんだもん。ずっとかっこよく居てくれるんだもん。この人たちも、私が好きな「やめられなかった人たち」で、音楽しかなかった人たち。名前をクリープハイプっていう。心から、人生をかけて、わたしが大好きだって胸張って言えるバンド。過激な歌詞が多いから一人歩きしちゃって、何を勘違いしたか乳臭いガキがファンだ何だと騒ぎ立てるんだけど、クリープハイプの愛し方って、そんなんじゃないんだよ。もっと、心の深くて柔らかくて繊細であまり人に触って欲しくないところに優しく寄り添うようなバンドなの、だから誤った愛し方はよして頂戴よ、っていつのまにか古参ぶった勘違いババアの爆誕。アリーナに響き渡る尾崎世界観の甲高い声はわたしの心を貫いたまま、忘れかけてた現実に打ちのめされてよろけた足を支えてくれてるの。クリープハイプって書くんだけど、救いって読むらしい。笑えよナァ、気が済むまで。