パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20231007

なんかあの日からずっと嬉しいきもちが続いていて、こんなの人生においてあまり経験がないので、ソワソワする。念のため、記録しておく。平たく言うとかなり浮ついていて、周囲に悟られまいと必死である。誰と接していても頭の中では常に考えていて、この2週間はきっと一番幸せな状態なのかもしれません。なかなか無いのだから、よく噛み締めておかないと。そんな中、また好きなバンドのライブに行って、それがまた本当に良くて幸せで、今の私の状態で行けてよかったなあと思う。

夜ご飯に大好きなご飯屋さんへ行って、余韻に浸っていたらまだ家に帰りたくなくて、お風呂上がりのマブダチ呼び出してお茶に誘った。事前の約束をしないで会うことを私たちは『場面で』という言い方をするんだけど、予期せぬ誘いが嬉しそうだったマブダチを見て、それがまた嬉しかった。なんて良い夜だろうって、眠たい目をこすりながらこの記事を認めている。眠ってしまうのが、少しもったいないような土曜日の夜である。(このあと見事に寝落ちている)

顔を合わせるたびに今まで関わってきた様々な人から祝福の言葉を向けられて、なんて気分がいいんだろう。誕生日以外に、人様にお祝いを頂くなんてまだ独身極まれりの私としたらとても新鮮で、毎回狼狽えてしまうけどできるだけ大きくハキハキとした声色で、最大限の感謝を伝えるようにしている。それくらいしかできない小物である。せっかく声をかけてもらったのだからふさわしく立ち居振る舞うべきなのに、どう頑張ったって慣れないものは慣れない。そんな複数人から気にかけてもらえるほどの人生ではなかったのだから仕方がない。

ここ数日は、よく昔のことを思い出していた。朝一番に出社して深夜23時過ぎにひとりきりで退社する日、納得がいく商談ができなくて涙目で帰る日、プレッシャーに苛まれて電車に乗れなくなった日、後輩に追い抜かれて自分の存在意義と居場所を見失う日、それでも先輩とする熱の入った営業談義が楽しくて一服しながらエナジードリンク奢ってもらった日。辛い記憶と同じくらい、いい記憶だって山ほどあった。何も続かなくて三日で飽きて、何一つ成し遂げられないことが一番の短所だったわたしが人生で初めてもらえた賞賛で、これまでのぜんぶが丸ごと報われた気がしている。人並みな意見だけど、生きていてよかった。生きて、そして続けていてよかった。続けていればいいことあるよって、いつかの私に教えてあげたい。

自分で自分を褒められる状況に身を置けることは、こんなにも幸せなことなんだ。って、いつも以上に仕事に熱が入っていて分かりやすい性格をしている。この先、また打ちのめされる日もあるだろう。仕事なんてほとんど波で、こんな状態でいられる期間も僅かだということは心得ている。だから決して驕り昂ることはしてたまるものか。そんなダサい人間のこともたくさん見てきた。ただ、これまでよりもほんの少しだけ胸を張って、自信を持って歩いていけることが、すごくすごく嬉しい。