パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

20230301

今日は一年のうちで最も緊張感のある日。全方位、無事に進み、目立ったトラブルもなく、平穏無事に過ごせたのでなにより。1年前は大規模なトラブルが生じて、1日でする謝罪の上限を突破した。そんな日。その頃と比べると、あまり感情の起伏が大きくなくなってきたことも、成長の証だろうか。思えば仕事で泣かなくなってからまもなく1年が経とうとしている。それは心理的安全性を守り続けてくれた周りのおかげであるほかない。まもなく、私に課せられた目標の到達もすぐそばまで見えてきてなんだか安堵している。でも絶え間なく次の目標がやってくるため、息つく暇なんかない。5年間ずっとそんな調子でやってきている。それが社会というもので、組織に属する人間の性なんだろうけど。新年度には、また大きく人員構成の変化もあるようで。わたしはちっとも変わりはしないのに周りはどんどん変化していくので、ひとり定点観測をしているかのようだ。瞬く星のひとつとなって、変わりゆく地球の様子をずっと遠くから眺めている。わたしに足りないものはきっと、圧倒的な当事者意識なんだろうな。最近は長めの邦画を何本も見たり、小説を読み耽ったり、ドラマに没頭したり自分の好きなものを過剰なほど摂取する日々。「リップヴァンウィンクルの花嫁」「0.5ミリ」「ブラッシュアップライフ」「ミシンと金魚」最近触れた作品たちはどれも良かった。本当はよかったなんて普遍的な感想で締めくくりたくないくらいに胸を打たれたけど、別媒体に感想はそれぞれ書き連ねたので良かったことだけ覚えていられればそれで良いや。今の心情や、置かれている状況にぴったりと当てはまっていて、わたしのためだけに用意された作品だと心から思えた。映画は特に、すばやく流れていく映像を覚えていられない頭の脆弱性があるために、これまで苦手意識を持っていたのだが、心の琴線にふれるセリフをメモしながら見るようにしたら、まるで違う。わたしはやっぱり目で見る言葉が好きなんだ。素敵な作品に出会うたび、こんな作品をわたしも手がけてみたいという憧れに奥底にわずかな嫉妬と、焦燥感を抱く。ついには悔しいとさえ、思う。だから仕事終わり、閉店間際の文具屋に駆け込んで原稿用紙20枚組のセットを7つも買ってきた。小説を書いてみようと思う。目指すは9月30日に締切を迎える「文藝界新人賞」