精神状態は、部屋の乱れ方でわかる。疲れているときまって部屋が乱れてくる。普段はクローゼットにしまう服を床に置いたまま朝を迎えてしまう。帰ったあと、床に落ちてる服を横目にしながらそのまま眠る平日を繰り返して、重い腰を上げて土曜日にきれいにする。それもできないと、精神状態が回復するまでしばらくのあいだその服は床に寝そべったまま、げっそりとした家主のことを責め立てている(ような気がする)奮発して買ったスカートはすぐに毛玉が目立つようになり、もう高い服は買わないと決意した。たかが布きれがなんだ。ブランド物がなんだ。少しでも関心を寄せてみようと思ったもののやっぱり私は甚だ興味がないのであった。許されるのなら真っ黒のワンピースを7着買って毎日ずっとそれを着て過ごしていたい。ほんの少しの羞恥心のせいで、そんなことも叶わない。服が嫌いだ。今の時期の厚着はもっと嫌いだ。なんて身動きが取りづらいんだろう。金曜日の夜へべれけになれない下戸は、同期とカラオケに走って思い思いに歌いたい歌を、叫びたい曲を歌って、互いが互いを鼓舞しながら、笑って、笑って、ご飯も食べずに解散した。これは正解の金曜日の過ごし方。そして私たちなりの鬼は外、福は内。今日は節分。やっぱりストレスは吐き出すとか排出するとか外側に出すのが一番いいよねって同期の言葉に深く頷きながら帰った。わたしさー、こういうの一生やっていたい。ずっとこんな日が続けばいいのにな、って願ってすこしだけ泣きそうになった。もうこの瞬間を写真に撮ってわざわざSNSに晒し上げるのは年齢的に憚られるけど、忘れたくないくらい良い日だったからせめて日記には書いておく。楽しかったな、また来週も頑張れそう。どんなに疲れていても、服はちゃんと畳んでしまえるようになりたい。