パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

あなたとわたしの選TAXI

ひさしぶりの人間たち大勢と対峙して、なんだかすごく怖かった。この怖さの正体は一体なんだったんだろう。分かんないけどすごく怖かった、一日中ずっと。でも実際に会ってみるとやっぱりみんなあの頃のままで、ひとつも変わってなくて、怖がる要素なんてなくて、でもどこか眼差しが変わってみえて、紡ぐ言葉の種類が変わったように思った。

一番邪推な目で見ていたのは、紛れもなく私だったのだ。無意識下で比較して、評価してた。私ってこんな人間だったっけ?手放しで再会を喜べなくて、勝手に落ち込んで、嫌な人間だなってBAD入ってる。

みんなそれぞれ自分の選択で見つけた道を頑張って歩いて、生きて、それで今またここで会えて、会わなかった間の人生の話をたくさんした。あの頃の話もして楽しかった。傷つけられることも、嫌な気分にさせられることも一つもなかった。何を怖がっていたんだろうわたしは。そしてこんなことでジメジメと悩み考えている人間なんてきっと一人もいなかった。

これは私の悪いところで、そして一生治らないところ。付き合っていかなくちゃいけないのに、時折こうして心を支配されてしまう。

一日に利用可能な社会性の上限を使い切って、三次会は撒いて帰ってきてしまった。一度に多くの人間に会いすぎた。家に帰ってきて安堵して、帰り道に買ったプリンを食べた。静かで落ち着く私の居場所だ。

もう比べたくないな、自分の人生に集中しないといけない。良い自分でいられる場所で、その時大切な人たちと、良い関係を紡いでいけばそれでいい。その縁は長く続かないかもしれないし、その場限りの儚いものかもしれないけれど、人間関係は思っていた以上に目まぐるしく変化を伴うらしい。だから今、対峙する人間を大切にしていくほかない。縁があればきっとまた必要な時に、必要な人に会えるのだろうから。

そんなに落ち込まないで、自分。今日はよく頑張りました。