パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

PERFECT DAYS

身近な人のこと大好きなまま死にたい、嫌いだって思いたくない。時が経つと関係性は変化しちゃって、昔みたいに相手を思えなくなる瞬間があって、この人無理だなって思うと途端に心のシャッターを閉じてしまう。それからもうそのシャッターは2度と開くことはない。そんなやつだから、好きな人のこと嫌いになる前にソッと身を隠したくなるときがある。存在丸ごと、冷凍保存させるのとおんなじ、時間が経ってもあの時そばにいたあの子は、っていう存在になれたら思い出の中だけにいる人になれたらもう嫌わなくていいし、嫌われることだってないし、都合よくそうしたいと思う。誰でもみんなそうなのかもしれない。

月曜日に有給をとってクリニック行った。わたしは何のために綺麗になりたいのかよくわかんないけど、みんなやってるからしてる。みんなお金かけて努力してるから、わたしもやる。みんなしてなかったら多分してないけど、そんなミーハー心でやるもんでもないなと思うけど、する。抗う人間を嘲笑しながら、自分だって同じなのウケる。なんの一貫性もない。

それから前からずっと見たかった映画見た。久しぶりの映画館。平日の午後は人がまばらで見やすかった。またやりたい。一堂に会するひとりぼっちの集まりたちの醸す空気がたいへん心地よいのだった。

『PERFECT DAYS』役所広司主演のもの。彼の演技が見たくて仕方がなかった。感想はFilmarksに書いた。Filmarksで見ると、一つの映画とっても感想は本当にひとそれぞれで面白い。一人一人全然違う視点でこの映画を見ていて、そりゃ人間みんなと分かり合えるなんてぜったい無理だろうなって安心する。価値観は人の数だけあると思う。わたしと全く違う意見を持った人間の感想文にイイネを押した。本当にいいなと思った。

外は雨が降っていた。雨の日と映画館の相性は良いように思える。iPhoneの電源はしっかりと切ったうえで何の邪魔も入らない124分、尿意にだけは勝てなくて終了20分前にトイレに走ったのは無念だった。もう映画館でカルピスMサイズは飲まないことにする。

帰りにカラオケへ行こうと思ったけれど映画の余韻に浸りたくてサイゼリヤに寄る。学生でごった返す夕方のサイゼリヤ、文庫を手に取りミラノ風ドリア温玉乗せとやわらか豆のグリーンサラダ合わせて550円はあまりにも良心的すぎる。

友達から聞いた安いと噂のスーパーへ寄ってみたけど100円の小松菜しか目につかなくて辞めた。たまにやってみようと思う。2月なのに上着無しで出歩けたほど今年は春の訪れが早いみたい。23日金曜日は天皇誕生日で休みなの嬉しい。劇中歌をダウンロードして眠りにつく。毎日をPERFECT DAYSしたいにきまってる。