パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

出雲旅行記②

別れを惜しみながらサンライズ出雲を下車し、特大の荷物をJR電鉄出雲市駅のコインロッカーに再び押し込み、身軽さを取り戻した私は、一畑バスを待ち出雲大社へと向かった。参拝方法が他と違うことはリサーチ済みだ。鳥居をくぐったらまずは、祓社(はらえのやしろ)に参拝をしなければならないらしい。これを忘れると、本来のご利益が得られないほど重要なのだそうだ。参道の右脇にひっそりと佇んでいて、知らなければ見過ごしてしまうようなところにあった。調べておいてよかった。一人旅は、頼るひともいないので自分の下調べが旅の充実度を左右する。

しっかりと、今日ここに来られた感謝をお伝えし、再度参道へ。途中、浄池というたまり池を発見した。紫色の鮮やかな花々が咲いていて、きれいだったので思わず足を止めた。この地一体に不思議な魅力があるように感じられたけど気のせいだろうか。印象的だったのは三の鳥居。人々が歩く参道と、神様が歩く神道がきっちりと分けられていて神聖な場所だということが一目見て分かった。周りに生い茂る木々が生き生きとしていてとても気持ちよく、この季節に足を運んだのは正解だったように思う。一人だけど、作法はしっかりしなくては確固たる想いがあり、2礼4拍手1礼はしかと守り参拝した。境内はとても広くて、順に回りながら参拝をしたけれど、全てできたかは分からない。あとで調べて知ったことも多くあるので、もう一度出雲に行くことがあれば再度伺いたいくらいだ。

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参拝を終えて、昼食の時間になった。絶対に食べると決めていた出雲そば。できるだけ有名なところで食べたいという思いから探していると、徒歩15分ほどのところに評価の高いお店を見つけた。天性の食いしん坊、絶対に食事は妥協したくない。少し離れた目当ての店まで歩いて向かうことにした。見知らぬ土地を歩くことも旅の楽しみの一つなのだ。出雲大社周辺でありながらも、海がそばにあるせいか港町の雰囲気を強く感じられた。日差しは強かったけれど、時折吹く風が気持ちよくて歩くことも全く苦ではなかった。訪れたのは「平和そば本店」店の外にはすでに5.6組が列をなしていた。4名掛けのテーブル席を一人で座るのはいささか申し訳ないなと思いつつ、3段の割子そばを注文した。ご丁寧に割子そばの食べ方が記してある案内を見つけてその通りにいただいた。細めでコシのあるのど越しのよいそばが、とてもおいしかった。麺類でそばが一番好きだ。好きになったのは最近だから、年取るにつれてそば寄りになっていくのだろうか。量も丁度良くて、あっというまに完食してしまった。となりの夫婦はカツ丼セットを頼んでいて、私もそれにすればよかったと少しだけ後悔しながら、そそくさとお会計。地元の女性が忙しなく店内を駆け巡っていて、活気のあるお店だった。ごちそうさまでした。

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次なる目的地は稲佐の浜。10月の神在月になると、全国八百万の神様をお迎えする神聖な場所なんだそうだ。平和そばから稲佐の浜も歩いて行けそうだったので、徒歩で向かった。稲佐の浜は、出雲大社から西方の海にある浜に、大きな岩が佇んでいる。ここでもきちんと作法に乗っ取って参拝をした。砂や岩にご利益がありそうだったので、優しく触れてみた。パワースポットを巡りだしたらおばさんの始まりだと会社の同期のあいだで話題になって、妙に納得したことがあったけど、あながち間違いではない。なんか分かるようになっていくのかもしれないな、目に見えない力というものが。


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