パンチラ追って知らない街へ

すべて作り話です。

昨夜見た悪夢の話

そこはわたしの部屋で、窓からは電車が見えていた。普通ならあり得ない間取りだけど、窓を開けると同じ高さに線路があって、電車が通るたびに乗客と目が合う。突然、けたたましい衝突音とともに女性の叫び声が聞こえた。その直後部屋の窓が大きく割れた。窓の外ではひしゃげた電車のドアから勢いよく放り投げられる人、人、人、電車の加速は止まることなく、飛び交う叫び声は止むことはなく。住んでいる家の壁と電車が接触して起きた事故だった。無残にも、壁と電車のあいだに挟まれる人もいた。私たちは部屋のなかからその地獄絵図みたいな光景を目の当たりにして、立ち竦むことしかできない。電車を止めろ!と男の人の鬼気迫る罵声が聞こえてきて、電車はなぜか進行方向とは逆向きを帰っていった。見るに耐えない姿の人々を乗せて、血まみれの電車を割れた窓から見送ったところで目が覚めた。am2:28。夢占いをする気も起きないくらいひどく怯えていて、ちいさく丸まりながら落ち着きそうな音楽を急いで再生した。しばらくのあいだうまく呼吸ができなくて、恐怖で心拍数はなかなかおさまらない。私の見る夢は、どうしてこう、いつもこうなんだろう。わざわざ記憶をたどって文字に起こすのは、この夢が自分からの自分に対する潜在的なSOSである気がしてならないからだ。幸せな夢はまったく覚えていないくせに、悪夢であればあるほどハッキリと鮮明に思い出せてしまうのはなぜだろう。